起業するなら資金調達という言葉に踊らされてはいけない

2019.01.23 (水)

起業へ向けての準備で何をしないといけないか。お金が掛かるから資金を用意しないといけない。よく言葉を聞く資金調達の方法を学ばないといけないと思っていないだろうか。ここに落とし穴がある。資金調達しないと何も始まらない。その思い込みが失敗の原因になる。本記事では資金調達の真意についてまとめた。

失敗を招く多くの人が考える思い込み

「こんなことをやりたいと10年以上考えてきました。だからお金を貸してください。こんなふうに言う人がいます。でも想いだけでお金は貸せません。本当にやりたいのならまずコツコツ手元の自己資金を貯めてからにしてほしいと思います」先日接点のあった公的機関の担当者はこんな話をしていた。

 

「資金調達の方法を学びたい」「融資の条件を知りたい」創業支援というテーマで各地でセミナーをさせていただく機会がある。事務局から受講者から特に学びたいことを事前資料で送ってもらう。その中に必ず入っているものがこれだ。結論から言おう。起業するのに資金調達しないといけないと考えているのは間違いだ。

 

独立開業するにはお金が要る。お店を構えるには資金を用意しないといけない。でも自己資金はほとんどない。だから資金を調達しないといけない。「自己資金がないけどどのくらい借りることができますか?」こんな質問もあったりする。そう思っているのなら要注意だ。

 

資金調達したおかげで立派なお店ができた。でもいざ開業するとお客さまがなかなか集まらない。借りたお金は毎月返済しないといけない。アルバイトの人件費の負担がのしかかる。家賃も払わないといけない。光熱費だってばかにならない。仕入れも先にお金を用立てないといけない。

 

とにかく出費ばかり。売上は一向におぼつかない。現金残高も残りわずか。ああもうお金がまわらない。やめるしかない。そして廃業に追い込まれる。手元に残ったのはマンション一軒分の巨額の借金だけ・・・

 

これは架空の話ではない。現実に起こっているリアルな事例だ。独立起業イコール資金調達と安易に考えている人はこんな結末になる。起業して1年目に半分近くの人が廃業する。その多くのケースがこれにあてはまるといっても過言ではない。

 

起業準備と手続きを取り違えているケース

よくある相談事例にこんなものがある。「これからどんなスケジュールで起業を進めていきたいのですか?」と質問する。すると「◯月中に会社設立をします。次に店舗開業の準備に入ります。物件をあたっていきます。同時に金融機関から借り入れをしていきます。その後◯月に開業します。それからスタッフの人材募集をしていきます・・・」こんな答えが返ってくる。起業するのに必要なことは何か?その答えが、物件確保、資金融資、会社設立、事業計画書を書くことなどと思っている人が驚くほどに多い。

 

もし考えているのなら考えを改めてほしい。なぜならここで話していることは全て開業手続きについての話だからだ。会社設立は法務局などで所定の手続きとお金を出してやるもの。司法書士などに頼めば全て代行してくれる。物件は不動産屋などを介して探していけばいい。資金借り入れは金融機関と掛け合ってやっていく。スタッフはいるにこしたことはないが最初から固定費を掛ける意味があるのか?無謀なことをすると資金繰りがきびしくなるだけだ。

 

「独立開業」という言葉で考えている人に多いパターン。「起業」は開業手続きでなく「自分でどんな仕事を創り出していくか」を決めることだ。自分で仕事を創っていくためには、多岐にわたる要素を具体化していかないといけない。自分軸、専門分野、ビジネスプラン、情報発信、テストマーケティングという手順に沿うことが鉄則だ。

 

お客さまがどんな人で、その人は今どんなことに困っていて、どうなりたいのか?そもそもなぜその仕事がしたいのか?なぜ自分なのか?なぜ自分にできるのか?お客さまのこうなりたいをどんな商品サービスで叶えてあげるのか?こうした要素のことをいう。これらなくしてビジネスは成功軌道に乗ることはない。

 

もし起業準備することが、会社設立、事業計画書、資金調達といった言葉だと思っていたら要注意。一度立ち止まってほしい。まず最初になぜその仕事がしたいのかを明確にすることだ。そのためにはこれまであなたが歩んできた人生を総ざらい紐解いていく必要がある。このプロセスなくして起業は成就しない。忘れないでほしい。

 

融資はローンであることを認識する

起業するためには資金が必要、だから融資を受ける方法が知りたい・・・こんなふうに思っている人が多い。起業するのに融資を受けるのが前提になっている。これも間違いだ。融資というと一見聞こえはいいですがそもそも借金だ。借金を抱えて起業したいだろうか?そうはしたくないはずだ。

 

住宅ローンはまとまったお金になるので借り入れが必要になる。でも起業はそうではない。起業スタートするときの規模を小さく始めればいい。できるだけお金をかけずに起業するにはどうしたらいいかを考えていけばいい。

 

よくあるケースがカフェを開業したいというときの話。「こんなお店をこんな場所に立てて、こんなカフェにしたい!」自分がお店を持ったときの姿ばかり頭にイメージがいってしまう。店舗をつくるためには物件をおさえないといけない。内装もそれなりにしたい。その分資金が要る。だからまず融資・・・安易にこんなことを考えてしまうのが実態だろう。

 

もちろん起業は夢の実現なのでイメージづくりは大切。でも起業はお店を構えることではない。お客さまに足繁く来ていただいてお金をまわしていくことだ。いくらきれいなお店をつくってもお客さまに来ていただかなかったら宝の持ち腐れにしかならない。

 

融資を受けると毎月返済しないといけない。店舗を構えると家賃、光熱費が必要になる。仕入れ在庫を抱えるのでそこでも一定のお金が要る。これらは売上が上がっていようがなかろうが容赦なく毎月支払いが発生する。売上がなければ手元のキャッシュも底をついていく。結果どうしようもなくなってあえなく廃業・・・世の中にはこんな例がたくさんある。

 

創業セミナーなどに行くと必ず融資の説明がくっついてくる。あれってどうなんだろう?いつも疑問に思う。創業補助金といったものはありがたい。でも最初から融資を受けることが当たり前の考え方は良くない。起業に融資が要ると先入観をもたせる原因になっている。

 

起業に融資が必須という考え方を一度リセットしてほしい。店舗をもたず、事務所も構えず、仕入れ在庫ももたずに起業するスタイルはいくらでもある。身の丈でスタートすることで起業のハードルはグッと下がる。ビジネスがそこそこまわるようになってから箱ものを考えていくという順番がベター。小さく小さく始めていく。スムーズに立ち上げていきたいのなら心しておこう。

 

起業するときに本当に必要になるお金

起業してとにかく必要になるお金は当面の生活費だ。起業1年目は売上なんてまともに立たないと思っておこう。収入が途絶えるわけだ。でも毎日の生活費は掛かる。ということはある程度手元にお金を貯めておかないといけない。生活費を資金調達しておこうなんて本末転倒。まずは手持ちのお金を準備することに注力することだ。

 

起業は身の丈で始めるのがベストだ。身の丈以上に大きなことをしようとするからお金が必要になる。お金を借りるのは最初やろうとすることが軌道に乗った後だ。目安は3年。お金を掛けずにやっていける基盤をつくること。一つのステージをクリアして次のステージに行きたいと思ったときに考えればいい。

 
→こちらも読まれています「お金をかけずに起業する方法」

 

起業のスタートアップで必要な学びは資金調達ではない。そんなことに意識を置くだけ時間のムダだ。もし起業について学びたいのならどうやったらお客さまを集めることができるのかを学ぼう。起業して一番苦労するのは集客だ。廃業する最大の原因はお客さまが集まらず売上が上がらないことだ。覚えておこう。

 

まとめ

起業する=会社をつくること、こんな誤解をしている人がたくさんいる。最初から会社(法人)をつくる必要なんてない。会社を設立するにはお金が掛かる。つくったあとは毎年税金も支払わないといけない。個人事業主という形ではじめれば全く問題はない。むしろその方が身軽で臨機応変スピーディーに対応ができ良いくらいだ。

 

事務所も必要ない。事務所をもったら最初に敷金や保証金、仲介手数料が掛かる。机、椅子、棚、什器も購入しないといけない。何より毎月家賃と光熱費が発生する。自分だけの城ができてみんなにお祝いをしてもらうのはとてもうれしいものだ。でもそのうれしさはその時だけ。そこから待っているのはどうやって収益をあげていくかという毎日でしかない。事務所は最初は自宅ではじめればいいことだ。自宅住所を表に出すのは気が引ける・・・そんなときのために住所をレンタルできるサービスもある。

 

従業員を雇うなんてもっての他。毎月給料や社会保険を払うことがどれだけのことか。人件費や家賃といった固定費をもつなんてことをしてはいけない。起業して3年は売上を上げていくことに四苦八苦する。そんな中できるだけ出費は抑えよう。自分で自分の首を絞めていることになる。

 

世の中で言われる開業資金とはこういうものだ。資金調達をすること。会社をつくること。事業計画書を書くこと。開業というとき必ず出てくる3つの言葉。惑わされてはいけない。本当に必要な開業資金とはしばらく稼ぎがなくても生活できるだけの蓄えをちゃんと持っておくことだ。心しておいてほしい。

 

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