三宅哲之の体験談

パワハラ、降格、左遷、倒産、失業・・・どん底経験を生かす体験談

「今ってドン底だよな・・・」そんなときもあります。もしかしたらしばらくその状態が続くかもしれません。出口が見えない。いったいこの先どうなるんだろう?不安ばかりが押し寄せてきます。良い方向なんて考えられるすべもありません。

そんな状況をどうしたら乗り越えていったらいいのか?僕自身の体験談をふまえたひとつの道しるべ。参考にしてください。

雑誌取材記事からひも解くどん底サラリーマン時代

出世街道、幹部候補生、パワハラ、降格、左遷、倒産、失業・・・サラリーマン時代に僕が歩んできた道です。とある雑誌から取材を受けた記事をもとにそのウラにある話を披露します。

いわゆる大手企業に勤め、同期ナンバーワンで幹部候補になった三宅哲之さん。順風満帆かと思えましたが「会社のため」と考えてした提言により、出世コースから一転、大変な目にあったそうです。

その提言の中に、幹部批判的な内容があったため、上層部の反感を買って降格、左遷。家族のことも考えて耐えていたものの、最後は強烈パワハラ上司の下で働くことになって、精神的に追い込まれました・・・

冒頭のくだりです。実際はそんなエリートと呼べるようなものではありません。希望にそぐわない地方勤務。20代前半は腐って仕事をしていました。そんなある日全国プロジェクトに抜擢されました。

これがその後のサラリーマン生活をやりがいあるものに変えていきました。誰かが敷いたレールではなく自分で新しいことができる。まさに水を得た魚状態でした。

「会社のため」の提言はひと言でいうと、もっと現場をみて仕事をしないといけないというものでした。ずっと泥臭く現場で仕事をしてきました。

現場を知らない人が事を動かすとおかしくなります。本部が現場を全く見ていないことに憤りさえ感じていました。そのことを公の場で進言しました。

大きな汚点になったのは、その当事者である幹部の名前を挙げたこと。もう少しやり方があったかもしれません。でも未だに言ったことに後悔はしていません。それだけ現場が大事でした。

その事件以降、あちこちに配置転換されました。どこに行ってもうまくいきませんでした。なかにはチャンスを与えてもらえるような場もありました。でも変に以前の仕事にこだわり過ぎる自分がいました。

結果チャンスを生かすことができませんでした。最後は会社でも三本の指に入る有名パワハラ幹部の下へ。1年間にわたり強烈に抑え込まれ続けました。会社の建物を見たら吐き気をもよおす、ホームから飛び込もうとする・・・今では想像もつかない状況に追い込まれました。

なんとか転職先を見つけて退社したものの、わずか3ヶ月で倒産。失業期間を経てさらに転職した先では思ったような仕事もできないまま地方勤務を命じられました。

転職先はベンチャー創業。11月に入社し年末年始返上で仕事をしました。ノルマもあって体力的には相当きつい。でも自分でイチから十までやれるたのしさの方が勝っていました。

途中から会社が傾いてきました。だんだん社長はじめ役員の言動がおかしくなっていきました。チームリーダーとして全員の前で吊し上げになったこともありました。

そんな中でも、修羅場を共有した営業チーム11名との関係性は未だに僕の財産です。わずか3ヶ月でもそれまでの20年以上をはるかに超える濃さを得ました。

最後の会社にはワンマン創業社長がいました。思うような仕事どころではありませんでした。会社に行っても仕事らしい仕事がありません。毎日パソコンとにらめっこ。

たまに入ったばかりの新入社員がやらされるようなワードで文章をつくる作業がまわってくるだけ。社内は異様な雰囲気。誰もひと言も話さない。

社内にいるのがいやでした。毎日昼休みになると持参した弁当を持って近所の公園に行き、一人で食べていました。野良犬が寄ってきました。「お前もオレと同じやな・・・」そんな毎日で頭がおかしくなっていたのを思い出します。

「もういいんじゃないの?やっちゃいなよ」妻のひと言で独立を決めました。本当はやりたいことがあるのに鬱々としている。そんな姿をずっと見てきて妻も限界を感じていたようでした。

心底会社のために・・・今そんなふうに思っている人もいるでしょう。会社が良くなることをこれだけ考えているのになぜわかってくれないんだ!そんな思いかもしれません。

でも真っすぐなことがそのまま生かされないのが組織の常。お客さまにとって一番良いことより、力ある人の利権に振り回されたり、関係する人の保身が先になったりします。本当におかしな話、残念ながらそれが現実です。

会社という組織を俯瞰してみれるようになったのは独立して以降のことでした。

独立後もうまくいかないの連続

独立起業を決断した理由。それはもうこれ以上会社には居られないという状況に追い込まれたから。さらに言えば、もうこれ以上会社には居たくないという気持ちにあったからです。

一刻も早くこの場から逃げ去りたい!そんな思いで一杯でした。後先なんて考えている余裕はありませんでした。もちろん一時的なものではありません。それまで幾度となくあったサラリーマン生活の危機。その最後の波でした。

ろくに準備らしい準備もせず、何で起業するかも全く考えずに会社を飛び出しました。見切り発車どころの騒ぎではなかったです。

まず人と会うことが必要と思いました。それまでのわずかの人脈をたどり闇雲に毎日人に会いに行きました。独立の報告でした。みんなその場はとりあえずの応対をしてくれました。でも何もつながりませんでした。

思い返せば当たり前のこと。自分の話だけしに来たヤツを相手にするほど余裕のある人なんているはずがありません。そんなことにさえ気づけない自分がいました。

わずかのコネで仕事を得ようとしたらあえなく取引中止。あそこでこんな話を聞いたから飛びつこう、別のところで新しい話があったらやってみよう。そんなことを繰り返しました。

あれがしたいこれがしたいと右往左往。毎月名刺の肩書きはコロコロ変わる。まさにブレまくりの状態にはまりました。

「みんながブログを書いている。じゃあ自分もやってみよう」とはいえ何をどうやってはじめていけばいいかもさっぱりわかりません。何冊かの本やネットでノウハウを調べてみました。

見よう見まねでアメブロを書いてみました。でもそんな付け焼刃のやり方でお客さまが集まってくるはずはありません。たいした反応もなく数ヶ月でやめてしまいました。

そんな中、貯金はどんどん減っていきます。お金がなくて苦しいときもたくさんありました。マクドナルドに入ることに躊躇していました。ペットボトル一本を買うより自宅からお茶を持参しました。

お金は貯めるのには時間が掛かります。でも減るときは一瞬です。どんどん溶けるようになくなっていきます。この感覚は当事者になるとよくわかります。ほんとに怖い状況です。思い返しただけでもぞっとします。

サラリーマン時代の失敗が独立後のネタになる

働き方相談には会社の憂き目に遭った人がやってきます。「身の上相談になってしまいますが・・・」そう言いながら今ある自分の状況を語る。どんな状況にいる人もそのつらい状況を受け止めることができます。なぜそんなことができるのか?すべて自分の実体験があるからです。

経営者向けの講演をさせていただく場があります。テーマは社員を元気にする、メンタルタフネスというものです。社員が落ち込んだときにどう対応したらいいか。そもそもそうならないために経営者は何を意識したらいいか。そんな内容でした。

なぜそんな話ができるのでしょう?それは自分自身が当事者になった経験があるからです。社員のメンタルという視点では誰にも負けない自信を持っています。自信はどこから来るのか?追い詰められた実体験があるからです。

「しくじり先生」ネタもあります。主催者によると成功した話より失敗談の方が説得力があるからとのこと。成功話はあまりないが失敗談なら山のようにもっています。「こんな話ができますか?」と言われたときは「もちろんです!」と即答しています。

どん底経験をブログに書いていたら、何年か経ってある雑誌社が見つけてくれました。取材を受け誌面になったこともあります。振り返ることで人生のストーリーになっていきます。ストーリーにしてしまえばそれはネタ。すべてシゴトに生かせるものとなりました。

独立後の失敗がノウハウに変わる

試行錯誤の連続。自分はいったい何がしたいのだろう?そんな原点に立ち返るときがやってきました。自分はなぜ起業という選択肢を選んだのか?だれをどうしてあげたいのか?

自分の人生を振り返ってみました。自分軸のないビジネスは継続しません。独立して1年以上経ったときに実感したことでした。

そんな日々をくぐり抜け今があります。そして毎日を生きている実感はサラリーマン時代には想像もできないところにあります。

仮にサラリーマンで役員になったとしてもその先にいったい何があったのだろう。人生を振り返ってこうして生きてきた!と言えるものができたかは疑問です。

サラリーマン時代に「正しい手順」で自律を進めることを強く推すのはこんな背景があるからです。これから自律を志す人には自分と同じような思いを絶対してほしくありません。

手順通りやれば苦労する期間はぐっと短縮できます。自己流で進めると大変な目に遭います。働き方づくりに正解はありません。でも準備の進め方まで闇雲だと意味がないのも事実。失敗経験が今の働き方に生かされています。

マイナスからプラスを生み出す思考法

「取り柄も特技もない。知識や経験にも自信がない。こんな自分に何ができるのだろう?」

自分で人生をつくりたい。そう思った多くの人が最初にぶち当たるカベです。そんなときはこれまでのマイナスに目を向けてみてください。

サラリーマン生活にずっと疑問を感じながら過ごしてきた。いつかは自分のやりたいように生きてみたい。それにはサラリーマン以外の道しかない。雇われない働き方がしたくて情報収集しセミナーに参加したり起業塾にも通った。

資格を取る、インターネット販売、輸入転売、アフィリエイト。迷いながらやってはやめての繰り返し。どれも中途半端。結局自分にとって何がいいのかわからない。いろいろやったけど会社を辞めて起業するのが怖い。

仕事、プライベート、住宅ローン、親の介護・・・がんじがらめ。いろんなことに我慢している。まさに人生の壁、トンネル状態に直面している。前が見えない中どういう方向性でいけばいいのかモヤモヤしている

こんな相談者がやってきます。これまでの経験をきいてこれはイケると感じます。なぜか?それはたくさんのことにチャレンジして失敗しているからです。

「どれも失敗ばかりです。そんなことに意味があるのですか?」相談者は言います。「失敗をたくさんしているからイケるんです」そう答えます。

自分の中のマイナスにしか思えないもの。視点を変えればそのことが誰かの役に立つことに変換されます。失敗を重ねているからこそ説得力をもって伝えられることもあります。

ビジネスは相手が何かに困ったり悩んだり不安だったりすることを解決することで対価を得て成立します。困ったり悩んだり不安な気持ちは自分が経験していることなら理解できます。うまくいっている人にその真意はわかりません。

一見マイナスにしか見えないもの。そこにこそ価値があります。ないものねだりをして他の人と同じようなものを目指しても意味はありません。これまで自分の中にあるものをどう生かすかにフォーカスしてみてください。その時のキーワードは失敗、挫折、苦労、コンプレックス。マイナスをプラスに転じる思考法を身につけましょう。

まとめ

たくさんの失敗しくじりを重ねてきました。その時その時はしんどかった。何度ももうだめだと思いました。でも今の自分はそのしくじりがなかったら存在していません。

あのままサラリーマンだったら薄っぺらい人間にしかなっていませんでした。「人生に無駄なことなんて一つもない」といいます。まさにそう感じます。

今どん底にいるならそれはすべて財産です。今はそう考えられないかもしれません。つらいのにそんな余裕があるはずがないです。

でも今の苦悩は必ず将来に生かすことができます。挫折はあなたの大事なリソースになります。苦労した経験がない人は本当の意味で成功できません。人の気持ちをわかってくれるあなたを待っている人がいる。その時が来るまで前を向いていきましょう。

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