一人商い|身の丈起業

失敗しない起業の基盤づくりは「なぜ」を明確にすること

起業で失敗するとはイコール途中でやめてしまうことだ。失敗したくないなら続けていける基盤をつくらないといけない。本記事では起業に失敗しない基盤をつくる「なぜ」についてまとめた。

頭にあることを全て書き出してみる

起業していくために最初に必要な心構えとは何か?それはそもそも「なぜ起業したいのか?」だ。今の会社がイヤだから。自由になりたいから。お金を稼ぎたいから。自分らしく生きたいから。いろいろあるだろう。整理したり格好つける必要はない。素直に感じていることを全て書き出してみよう。

頭の中で憶えておくなんてできない。ノートに書いておこう。自分の起業ノートをつくって最初の1ページに自分はなぜ起業したいと思ったのか?を日付と一緒に文字として残しておく。そうすることで後から見たたきその時の気持ち、原点を振り返ることができる。

起業準備を始めるといろんな壁が待っている。自分の思うようにいかないこと。モチベーションが落ちること。本当にこれでいいのかと不安に思うこと。さまざまだ。まして起業した後は日々アップダウンの連続だ。

もうダメかもしれない・・・不安の絶頂にくることもある。もうやってられない!投げ出したくなるときだってある。そんなときに頼りになるもの。自分としての拠り所になるもの。それが「なぜ起業したいのか?」だ。

自問自答だけでなく第三者に質問してもらう

メンバー同士がお互いの今の悩み事を共有して応援し合うグループワークの場でのこと。体験ゲストでいらっしゃった方がメンバーに一つの質問をした。

「みなさんは、そもそもどうして起業したいと思ったのですか?」シンプルだが本質的な質問だ。質問されたメンバーも一瞬考えさせられている様子。後からきくと「原点に戻る言葉として響いた」と言っていた。

なぜ起業したいの?なぜその仕事がしたいの?なぜを繰り返してみる。自問自答だけでなく第三者に質問してもらう。答えている自分に腑に落ち感があるかないか。軸がかたまっているかのモノサシにしてみよう。

原点があれば壁を乗り超えていける

なぜ起業したいと思ったのか?原点をしっかり記しておくこと。最初こんなふうに感じたから起業の一歩を踏み出したんだ。すっかり忘れていたなあ・・・もう一度あの頃の気持ちに戻って前に進もう。途中で挫折なんてもったいない。そう思い直すことができる。

「なぜ起業したいのか?」これからの長い道のりを歩んでいく上で大切な問いになる。初心忘るべからず。迷ったら原点回帰。これこそ起業を継続させる根っこになるものと言える。

あれもこれもやりたいを整理する方法

起業ネタを考えるとき、いろいろと好奇心が出て、あれもやりたい、これもやりたいと散らかってしまうときにどうしたらいいか?起業相談で結構多い質問の一つだったりする。どうしたらいいのか?

「なぜその仕事がしたいのですか?」この質問に対する答えづくりをすることだ。「こんなことがやりたいと思う」と第三者に話してみる。その人に「なぜその仕事がしたいのですか?」と質問してもらう。

そのとき明確にブレることなく相手に答えが言えたらOK。ウッとつまってしまったらそれは単なる思いつきでしかない。

「こんなアイデアがあるけどどう思う?」「ここに市場がありそうなのでやってみたい」こういうケースはほとんどこの答えにつまるものだ。仕事への自分軸が決まっていないものは継続しない。ビジネスは継続してこそ成功だ。

自分軸は自分の内面から築き上げるものだ。自分の人生を振り返り仕事の自分軸を立ててみよう。情熱があるから仕事本来のたのしさが生まれてきます。

「なぜこの仕事」の事例

小学生の頃、ほんとに人前が苦手だった。一番戻りたくない過去かもしれない。そのことが嫌がっている自分が嫌で変えなきゃと思い始めた。苦手を増やすと自己肯定感が下がってしまう。それから何とかしたいと試行錯誤しながらずっとがんばってきた。時間は掛かったけど克服することができた。すると見える世界、感じ方が一変した。だから同じ思いの人を助けてあげたい。

人前で話せるようになるサポートをしている人の事例だ。一番戻りたくない過去。誰にでもあるコンプレックス。こんな人を救ってあげたい。それは自分が身をもって体験したから。

そして克服できるとこんなに世界が広がる・・・強い想いがそこにある。自分が歩んできた人生での足跡。誰に何と言われようと動じないブレない軸の事例だ。

「なぜこの仕事?」はあなたがこれまで歩んできた人生のバッググラウンドの中にある。起業のアイデアがどうのこうのという前に、自分の人生の背景を事細かに振り返ってみよう。起業のスタートは自分自身を知り尽くすことから始まる。自分を知らずして先に進むのはNGだ。

これがイケるかも?は要注意

起業へ向かってスタートする時点で失敗してしまうケースがある。「なぜその仕事がしたいのか?」の理由に思いが入っていないときだ。起業前モヤモヤ相談カフェでの会話を紹介しよう。

相手「こんなビジネスアイデアがあるですがどう思いますか?」
三宅「なぜその仕事がしたいんですか?」
相手「市場がありそうなんで」

相手「イケるかもしれないと思うから」
相手「競合が少なそうなんで」
相手「これまでこんな業種で仕事をしてきた。ニーズや市場がありそうだから」

三宅「それだけですか?」
相手「はい、今のところは・・・」

もしこれだけでその先を考えようとしなかったら独立起業は失敗する。仕事をしたい理由にこんな人のために自分がやってみたい!こんな実体験をしてきた、だからこうしたい!という思いが入っていないから

失敗しない起業とは事業が続いているということをいう。続いているということは事業をはじめた後もずっと変わらず思いがあるからだ。その仕事に情熱とワクワク感があるからだ。

これがイケるかも?ではじめたら、うまくいかなくなると一気にやる気を失う。そもそもその仕事をやりたい理由がないからだ。

もし今これがイケるかな?で考えているとしたら「なぜ自分はこの仕事がしたいんだろう?」と自問自答してみよう。起業の理由が揺らぐようなら再考した方がいい。

天職のキーワードは質問されたらスイッチが入ること

「三宅さんはなぜFAAをやっているのですか?」「なぜこの仕事をしているのですか?」多くの方から質問される。この質問にはスイッチが入る。

「一人ひとり個人と向き合い、その人の輝くものを見つける」「個人と個性が集まってチームをつくる」「ゼロから新しいものをつくり出す」

僕にとって仕事をつくるための基盤になるキーワードはこんな感じだ。これが満たされるとこの上なくワクワクする。満たされることを仕事にしたかった。天職のキーワードと呼んでいる。

もう一つは、僕自身サラリーマンから起業していくにあたり苦労したから。会社を辞めざるをえない状況に追い込まれ、ろくに準備らしい準備もせず見切り発車。好奇心だけは旺盛。

独立後にあれやこれやと手を出した。軸らしい軸も決めず、こんなことを続けた結果、貯金はゼロに近づいた。明日からどうする?真っ青になった。

起業前に軸を決め、正しい手順でしっかり準備しておけばこうはならなかった。自分の失敗経験を反面教師にすることができたら。何をやったらいいのか?どこから手をつけたらいいのか?闇雲に試行錯誤してきたものをきちんと整理して伝えることができたら。

最後に人生が100倍豊かになる選択肢があることを一人でも多くの人に伝えたいから。毎日モヤモヤと過ごすサラリーマンの人に会社の枠を出るとこんなにも視野が広がること。場所を変え付き合う人を変えると見える景色が変わること。

起業するかしないかは別としても、働き方=生き方にはこんな選択肢があるんだと知ってもらうこと。そしてワクワクたのしい毎日を送る人を一人でも多くつくっていきたい。自律的自由人という生き方を伝えていきたいと思ったから。これが今の仕事をやっている理由だ。

起業には「なぜこの仕事をやっているのか?」に対する答えづくりが必須だ。最初から完璧な答えはなくても大丈夫。常に問いかけていく習慣をつけていこう。

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