三宅哲之の体験談

起業前後を妻が語るリアルな話|大学生研究発表インタビューより

起業するのに家族の理解は必須だ。「妻の説得ができていないのでどうしたらいいですか?」一方で多くの人が相談に来る内容でもある。起業する前と後。妻という立場でどんな心境になるのだろうか?キャリア研究をしている大学生から妻がインタビューを受ける機会があった。そのインタビュー起こしを入手した。今回はそのままを共有したい。何かの参考にしてほしい。
 
大学生:
若い頃の共稼ぎのとき、それぞれが働いていく中で、お互いの仕事についてどれくらいしゃべったりしていたのですか?
 
妻:
そうですね、結構しゃべりましたね。例えば、主人が帰ってきて夕飯食べながら話したりとか。でも最初のころはそれほど仕事熱心じゃなかったので(笑)
 
大学生:
東京に出てからって、三宅さんの働き方が奥様から見てどういうふうに変わったのか、見ていて感じたこととかを教えていただきけますか?
 
妻:
それまでやる気がなかったのが変わりました。なんだろ、熱いんですね、ともかく仕事に(笑)真面目なんですね。常に上司の悪口はいってたんですけど(笑)それは仕事熱心だったから、そうなったのかなって思いますね。とにかく熱く語ってました仕事について。
 
大学生:
ご自宅でも仕事について話していらっしゃいましたか?
 
妻:
語ってましたね。私も結構聞くの好きだったんで。主人がどんな仕事やってるのかもわかりますし、その点では結構よかったのかもしれないですね。
 
大学生:
ご主人がやりたいような仕事を熱心にやられているときは奥様はどういう立ち位置でサポートをしようと考えていらしたのですか?
 
妻:
そうですね、そんなに協力するってことはなかったけど、ただ仕事に支障が出ないようにリズムを整えるはありました。それぐらいでしたね。
 
大学生:
その後、部署をたらい回しにされたりとかパワハラとかが起こってくると思うんですけど、環境がだんだん変わってくる中で、奥様的に感じたこととか実行されたことはどんなことですか?
 
妻:
上司の悪口は言っていましたので最初はまたそういう愚痴かなと思ったんです。でもしばらくしたら、ちょっと様子が変わってきたんです。ちょっと鬱な状態になってきて。何を言っても下向いてて黙っている。普通はそんなんじゃなかったんです。仕事熱心でよくしゃべるというか・・・。全く人が変わったようになって。
 
しばらく様子を見ていたんですけど、こちらも家庭があるし子供の教育費を稼いでもらわないとならないし。もうちょっと頑張ってほしいなって様子を見ていたんですけど。でもそれでもやっぱり変わらなくて。それなら精神的に参っているよりも会社を辞めて別のところにね、転職というか、その方がいいのかなと思って。収入も多少落ちますけれど、でもそれは私が働いて多少カバー出来ればいいかなと思うようになりました。
 
大学生:
奥様なりに対策をされようとされたことがあったのかと思います。カウンセラーのところへ行かれているじゃないですか。それは奥様が見つけたのか、旦那さんが見つけたのか・・・
 
妻:
それは自分で見つけて行ったようです。私は同行してません。ちゃんとした内容はわかってなかったんですけど。それとは別に私もネットで調べたり。それでまあいくつかあったので行ったのだと思います。
 
大学生:
そこからだんだん転職活動を始めるというふうになってきたと思うのですが、言われたときとかその前後で変化を感じるものであったりとか、それに対して奥様自身がどのようなサポートをされてこられたのでしょうか?
 
妻:
最初のベンチャー企業に入ったときは、すごくやる気になっていたんですね。ちょっと以前の主人に戻ってきたのかなと思って。でも結局その会社は倒産解散になっていって、それでまた転職ということになりました。そんなに落ちてはいなかったですね。でもそんなにやる気を感じなかったし熱意はなかった。ただ単に給料をもらうためにって感じでしたね。
 
大学生:
ベンチャーが倒産した時って、いきなり職がなくなるわけじゃないですか。家計の部分とかどうだったのか気になります。これがあったからどうだったとか何か影響があったことなど教えてください。
 
妻:
そうですね、その時は近所でパート勤めしていました。それはホントに食費を稼ぐぐらいの給料だったです。あとは大手時代の少しの蓄えなどで、まあそれでなんとかやってましたね。ただやっぱり贅沢はなかったです。かといって貧困な生活まではしていなかったですね。
 
大学生:
その後、中小企業に転職されていくじゃないですか。そこでは社内のコミュニケーションがなかった職場だったそうですが、奥様はどういうふうに聴かれていましたか?
 
妻:
やっぱり面白くないって言ってました。だから長くはないと思ってました。
 
大学生:
そして1年ぐらいで会社を辞めるわけじゃないですか。奥様から見て独立とかした方がいいんじゃないかと思い始めたのはいつぐらいからですか?
 
妻:
会社を辞めたいと聞いてもういいんじゃないかなって。この人ならやっていけるんじゃないかなって。なぜかというと、昔帰ってきたら仕事の話を熱心に話している姿を見ていたからですかね。その頃は毎年毎年年収が100万ぐらいアップしてたんですよ。それでこの人すごい仕事ができる人なんだって思いましたね。
 
大学生:
その時にそういう姿をみて、起業しても大丈夫だと感じたと。独立の決断をされた時がお子さんが二人とも受験という結構家庭的にもいろんなことがあった時だと思うんですけど、その中で大変だったことととか、それでも独立を後押ししたものがあったら教えてください。
 
妻:
まだ多少の蓄えがあったのが良かったですけど、でもまあそのうち無くなりますよね?無くなったときは私がもっと働けばいいのかなって思って。しばらくしたらというか、良くなっていくだろうと思っていました。健康であれば何でもできるんじゃないかって。
 
大学生:
お子さんたちはその頃どんな感じだったのでしょうか?
 
妻:
そんなに心配はしていなかったと思います。子供もよくわかっていなかったのがありますし。
 
大学生:
今はご主人の会社を一緒に手伝っていらっしゃるそうですが、どれくらい経った段階で以前勤めていた会社を辞めて一緒に働く形になったのか教えてください。
 
妻:
子供が一年生になったときに勤め始めたパートが家の近所だったんです。自転車で5分の所だったんですね。近くでよかったんですけど閉鎖になっちゃったんです。関連会社こに行かないかって1年間1時間以上かけて通勤したんですね。ふたを開けると仕事の内容も全く変わったし遠い。やりたいことでもないしもうダメかなって思って。それまで主人の仕事も多少手伝ってました。そろそろ両立も厳しいなと思って。
 
大学生:
サポート一本になってそれまでの仕事量とかは変わりましたか?
 
妻:
結局私ができることには範囲がありますね。例えばお客さまとのメールのやり取りとか参加者管理とか。それまで主人が一人でやっていたものを少しずつやり始めたので、その分他のことができるようになったのかと思います。
 
大学生:
ご夫婦で一緒にやっていらして、良いこととか今までと比べて変わったこととか教えていただきたいです。
 
妻:
良いことはペースが一緒になれること。今まで別々だったペースが合わせられるようになりました。あと仕事内容がよくわかるようになったこと。悪いことはあんまりないですね。仕事の話もよくしますし。共通の話題も増えました。
 
大学生:
以前よりコミュニケーションの量は増えましたか?
 
妻:
はい、増えましたね。
 
大学生:
サラリーマンのときは基本土日休みだったと思いますが、起業すると土日にお仕事があって平日がお休みだったりするじゃないですか。そこで感じることってありますか?
 
妻:
子供が小さい時は感じましたね。やっぱり土曜日曜休みなら子供と一緒に出掛けたりしてましたので。今もう子供たちが大きくなったので特に土日はこだわらないですね。
 
大学生:
実際に起業されて良かったなと思うことは何ですか?
 
妻:
今まで会社という枠にはまっていたみたいです。別の世界は不安に思いますよね。なるべく会社員をやって安定した職業いいかなって。昔、父はサラリーマンでした。ある日上司と喧嘩して独立して自営業を始めたんですね。その姿を見てきたから多少理解できたのかなって思います。ただ母はやっぱり苦労してました。私は苦労したくなかったんですね。でも同じような道を歩いてます(笑)。でも結果すごく生き生きと仕事してます。昔の勢いがあった会社の頃を超えていますね。
 
大学生:
お父様とご主人二人が独立して働いている姿を見ていらっしゃると。年齢が若い時に独立された場合と三宅さんぐらいの年齢で独立された場合で違うところはありますか?
 
妻:
年齢は特に関係ないです。ただ一つ言えることは、早いうちに自分のやりたいことを見つけてそれに向けて起業したほうがいいんじゃないかなとは思いますね。
 
大学生:
最初は会社員のほうが安定しているからいいとおっしゃっていましたが、そこから起業してもいいんじゃないかと思い始めるきっかけは何ですか?
 
妻:
やっぱり昔のいきいきした主人を取り戻せたらと思って。会社勤めは合わないのかなと思って。性格でしょうね。きっと。
 
大学生:
ご主人に影響されて考え方が変わったりしましたか?
 
妻:
やっぱり縛られない自由な生き方はいいなと思いますね。私も自分がやりたいことへ向けて頑張っていきたいと思います。
 
大学生:
のびのびと今の仕事を楽しんでいらっしゃると。素晴らしいことですね。今日は長時間にわたりありがとうございました。

まず最初の一歩を踏み出すお手軽講座