起業して仕事をすることの意味~本当の顧客サービスの実例

2018.07.09 (月)

顧客サービスとはお客さまの不を解消すること。俗に言われることだ。でもそのことを本当の意味で実践できている人は少ない。本記事では真の顧客サービスとは何かを前回の実体験と比較しながらまとめた。

 

「どうされましたか?」医師は柔和な表情で話しやすい。「2週間前から肩と背中が痛くなりました。なかなか痛みがとれないので近所の整形外科に行きました。こんな診断を下されました。薬はこれです。でも一向に快方に向かいません。良くなるどころか悪化している感じです。そこで伺った次第です」これまでの経緯を説明した。

 

「レントゲン写真はお持ちですか?」「あ、いやないのですが・・・」「あればそれで良かったのですが。ではもう一度調べますか?」「はいお願いします」レントゲンを撮影するのも利益の一環ではないのか?

 

「じゃあ両腕を挙げてみてください」「これ痛いですか?」「はい」「なるほど。次はこんな姿勢をとってください。これ痛いですか?」「はい」まさにツボをおさえた感じ。神の手のように僕が痛いところがわかっているような気さえした。

 

レントゲン室へ向かう。「いつ頃からですか?」「この姿勢だと痛いですね?」合間合間で技師が声掛けしてくる。いろんな姿勢でたくさんの写真を撮った。前に行った病院では通り一遍の撮影という感じ。ここが痛いんだけどちゃんと撮ってくれてるの?そんな不安が募った。今回はまさに痛みの部分に集中して撮影する感じだった。同じレントゲン撮影でもこれだけ違うものなのかと実感した。

 

すぐに診察室に呼ばれた。写真を大きく拡大しながら医師の説明が始まる。「頸椎という骨があります。こんな形でこういう役割を果たしています。普通は骨と骨の間に軟骨があります。見てもらったらわかるように何もないですね。これは少し前からそうだったものと思われます」

 

「三宅さんの場合、この4つ目と5つ目の部分が特に顕著です。ここからの神経が右手のこの指につながっています。支障が出たらしびれが出ます」「あ、ほんとだ。ここがしびれている」「同じ姿勢を続けるとかできるだけしないように。首のストレッチをするとか向きを変えて回してみるとかを意識する必要があります」

 

「肩はこの部分が石灰化しています。わかりますか?」「あ、はい」「肩の骨はこういう構造になっています。ここを司る筋肉と骨の間で炎症が出ています。まずは炎症をとることが先決です」「こういう姿勢をとるとまた炎症が出るのでしないようにしましょう」「炎症がとれたらインナーマッスルという筋肉を鍛える必要があります」

 

的確に専門家目線でわかりやすい説明。「ここまでいいですか?」的な話の進め方もありついていけた。不安が渦巻く中でそこが知りたい!のポイントをレクチャーしてくれた。今自分の身体がどんな状況かが手にとるように理解できた。

 

「おそらく以前の病院であったように頸椎ヘルニアとかそんな類だと思います。ただレントゲンだけでは断定できません。病名なんてどうでもいいです。原因はこれなので次からはここに注意していってください・・・」病名なんてどうでもいい、要はこれからどうしたらいいのか?ここが一番知りたかった。まさにそこをピンポイントで伝えてくれた。

 

「痛みがひいたらあとは運動療法です。インナーマッスルを鍛えてください。それにはトレーニング方法があります。ご近所の整形外科に行けば教えてもらえます」「えっ?自分のところでやらないの?」と思ってしまった。

 

という以前に近所の病院へ行こうなんて気はさらさらない。「こちらでお願いすることは可能ですか?とっても丁寧にわかりやすく教えていただけたので」「笑 もちろん大丈夫ですよ。でもご近所の方が近くて便利ですよね」

 

病院といえども経営していることに何ら変わりはない。今こうして目の前にお客さまが言ってみればリピート客になろうとしている。でもこの医師は自分のところの話をしなかった。患者にとって最良の方法を選んでくれた。

 

診察室からは医師と看護師の和やな笑い声が聞こえてくる。待合室ではリハビリ担当の医師が患者の横に座って親切にスケジュールの説明をしている。一様に看護師はやさしく丁寧に気配りしながら応対してくれる。職場にもそんな空気感があふれていた。

 

まさにプロ中のプロ。前回行った医師が対極にあった分、その価値を高さを余計に感じた。長期間痛みがとれず心身ともに少々ふさぎ込んでいた。身体が思うようにならず仕事でもストレスを抱えていた。そんな中だけに感動し目頭が熱くなる思いだった。

 

顧客目線で仕事をすることの真髄とは何か?能書きはいくらでも言える。本当にその人のことを思えているのか?自分自身が顧客として困り不安を感じた体験をもとにどうあるべきかを学ぶ最高の機会に恵まれた。この気持ちを忘れずに仕事に携わっていきたい。

 

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