一人商い|身の丈起業

ライザップ赤字転落に学ぶ身の丈起業でできること

フィットネスジムのライザップが赤字になったと報じられた。5年で売上6倍で1300幾円、グループ会社は70社以上と破竹の勢い。そんな会社が赤字に転落という事実。本記事ではそんなライザップの状況をみながら身の丈起業の本質についてまとめた。
 
>フィットネスジムの「ライザップ」グループは14日(2018年11月)、今期の業績予想を大幅に下方修正し、最終損益は当初159億円の黒字から70億円の赤字になる見込みと発表した。瀬戸健社長は「期待を大きく裏切る結果になってしまい、申し訳ない」と謝罪した。(ニュース報道)
 
ライザップグループはこの5年間で年間売り上げを239億円から約6倍の1362億円に伸ばしてきた。成長の最大の要因は積極的なM&A(企業の吸収と合併)で、グループ傘下の企業数も75社も急増した。本業の美容健康部門以外に、アパレル、住関連、健康、エンターテインメントにも手を伸ばした。その結果が赤字ということになった。
 
今回構造改革にメスを入れるべく外部人材を引き抜いた。元カルビー会長などを歴任したプロの経営者。その人がまずやったこと。それは現場をまわって今の会社の状況を聴きとるということだった。一緒にご飯を食べたり飲みに行ったりしたらしい。そこで得たものは「会社が壊れている」ということだった。
 
不採算部門を撤退しM&Aを凍結するという方針だった。「わかりました。覚悟を決めます」ライザップの瀬戸社長はこの話を受け入れた。生え抜きの幹部からはかなり抵抗があったらしい。そんんな中、決断をした社長。きっと再生するのではないだろうか。
 
売上1000億円以上、グループ会社70社以上。傍目に見ていると急成長を遂げすごいと感じる。たしかにすばらしいことだ。でもその一方で忘れているものがある。それは創業時の想いだ。さらに言うと「自分がなぜ起業したのか」「何をやりたかったのか」ということだ。
 
これだけの規模を動かそうと思ったらたくさんの人を雇用することになる。人を雇うと組織をどう動かすかということに毎日を費やすことになる。物事を一つ決めるのにも会議を重ね全体の協調を取りながら進めていくことになる。
 
一方でM&Aには資金が必要になる。お金をどうするかに日々頭を悩ますことになる。取引銀行と打合せばかり。今お客さまはどう感じているのか?現場スタッフはどんな思いで仕事をしているのか?考える暇もない。こんな毎日が送りたくて起業するのだろうか。違うと思う。
 
これまでこんな人生を歩んできた。だからこんな人をこうしてあげたい。ずっとあたためてきたワクワクを形にしたい。本当にやりたいことを生涯現役でずっと続けていける仕事にしたい。人の役に立ってやりがいに満ちた心豊かな毎日を送っていきたい。そんな想いではないか。
 
創業時の想いを実現するのは身の丈起業だ。お金をかけない、従業員も雇わない。やりたいことがあれば即断即決、即行動。うまくいかなかったらすぐ修正。そしてまた行動。これを具体化するにはできるだけ身軽にやっていくことが必要になる。
 
人にはそれぞれ価値観がある。会社を大きくしたい。売上を何億までもっていきたい。そう思うのならライザップの教訓をおさえておこう。こじんまりとしていい。自分がやりたいことをやって毎日たのしく生きていきたい。そう思うのなら身の丈起業。どちらが正しいというものでもない。
 
ダイエットには継続することが必要。継続するために情熱をもったトレーナーを育てる。「徹底的に寄り添うこと」。創業時の想いに戻るという姿勢。起業に必要なことは原点。何のために何がしたくて起業したのか?それが全ての原動力になる。忘れないでほしい。

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