ディーラーに学ぶ起業家としての営業姿勢~お客さま視点を実践することの意味

2017.09.06 (水)

営業は会社の顔。その良し悪しで会社の評価が決まると言っても過言ではないだろう。前回は営業の反面教師の事例を紹介させてもらった。今回はその逆。これぞ真の営業マンという事例を共有したい。

 

車の乗り換え検討は続いていた。焚き火事業を動かすのに現在のミニバンでは装備のおさまりがつかなくなったのが理由。そこで商用のハイエースに矛先を立てた。このクラスでは圧倒的な車。まずは残債の残る今の車の査定ありき。そこで前回の記事に書いた買取業者へとつながるわけだ。

 

ネットでひと通りチェックした後、まずはどんな種類、価格帯なのかを知るためにトヨタのディーラーへ向かった。閉店間際だったが30代前半の営業マンは丁寧に応対してくれた。その場で早速査定。その日は相手先の営業が終わっていたので翌日に再訪問した。

 

新車での見積り価格と査定の結果を提示された。車両はそれなりの価格。査定は残債が消える程度を希望していたがかけ離れた結果になっていた。「これきびしいですねー」と伝える。「そうですよねー」と営業マン。考えたあげくこう切り出してきた。

 

「大きな声では言えませんが・・・うちで査定をやると低めのものしか出ません。一度買取業者にも行かれた方がいいです」「そうなんですね。どこか良い業者ご存知ですか?」「はい。◯◯社が良いかと思います。先日商談させていただいてお客さまにご紹介したら30万円近く高値がついたみたいです。結局商談は負けたんですけど笑」

 

このやりとりに驚いた。普通は自社ですべてを完了させクロージングまでもっていきたいのが営業だろう。でも彼はお客さまの立場に立って最良の選択を提示してきた。彼の営業姿勢に心が動かされた。実際に買取業者で査定をすると40万円近くの高値がついた。びっくりだ。結局、納期の問題がネックになって前には進まなかったが印象に残る営業活動だった。

 

その後、十何年来付き合いのある日産へ向かった。ハイエースしか視野になかったので日産は付き合い上挨拶に行くだけのつもりでいた。事情をすべて話し、最初は今の車を軽自動車に乗り換えたらどうなるか?など相談した。展示車で説明してくれた後、試乗車にも乗せてくれた。

 

「せっかくなのでうちのこれもご覧になってください」営業マンは日産のハイエースクラスの車を紹介した。まったく眼中になかったが一応見ることにした。ここで一緒に行った妻の様子が変わった。「コストのことを考えても検討に入れてみてはどうかな?」少し気持ちが動いた。

 

席に戻りカタログを見ていると特別仕様車が目に飛び込んできた。「これならいいかも・・・」と感じた。すると「ちょうど今試乗車があるのでご覧になりますか?」と営業マン。実車を見て以前にも増して充実しているのがわかった。その間に営業マンは見積りをつくっていた。「ぴったりご予算前後になりましたよ」見積書を見ると商談中に話した予算にぎりぎりハマっていた。心は決まった。「じゃあお願いします」正直、車の内容だけならハイエースも捨て切れなかった。最後の決定打は営業マンの人として姿勢だ。

 

最初は軽、その後ワンボックス、こちらの言うことは二転三転した。そのときそのときで相手が言っていることをしっかり受け止め、最善の方法は何かを一緒に考えてくれていた。「◯◯さんは相手の立場をしっかり理解して提案してくれているよね」妻は言った。自分が売りたいものへ導くために作戦を立てて動かしていくような営業とは真逆の世界にいる。

 

ローン契約書を書いているとき、マンションの居住年数を書く欄があった。「何年だったっけ?」「どうだったかな?」夫婦でそんなやりとりをしていた。すると「僕が会社に入って2年目に三宅さんとお付き合いが始まったので今年で15年ではないでしょうか?」と営業マン。そんなに頻度高く会っているわけではない。なのに相手のことがわかっていることに驚いた。

 

「ナンバープレート、どうしますか?」営業マンは訊いてきた。妻は「あ、ずっと使っているナンバーでお願いしたいです」と答えた。「でも余分にお金が要るんですよね?」と僕。「あ、もう見積りに入れていますから大丈夫ですよ笑」と営業マン。オリジナルナンバーは結婚記念日とマンションの部屋番号。彼はきっとこのことを憶えていたのだろう。これぞ真の営業マン。彼と過ごした4時間の商談が大切なことを教えてくれた。

 

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