自律的自由人

中高年が自律した生き方へモチベーションを維持するための8つのコツ

自律的に毎日を送っていこうとするときに必要な要素としてモチベーションがあります。モチベーションがないと継続できません。わかっているけどそれができないんですよね。

これからを変えようとするとき、ついてまわるのがモチベーションです。これまで10年以上にわたり、働き方、生き方を変えたいと思うビジネスマンと向き合ってきました。彼ら彼女たちをみて感じてきたモチベーションの維持方法についてまとめました。

自分の感情を素直に出す

モチベーションを高く・・・なんて言うと、ついつい肩に力が入ってきませんか?そして自分の身の丈以上のことをやろうとしていませんか?そうするとうまくいきません。

自分の感情と逆らってモチベーションを高くしよう、高くしようとすると無理が生じます。無理が生じると長続きしません。

たまには愚痴も吐くし、弱音も言いたくなるのが人間です。言いたいときは素直に愚痴ったり、弱音を吐けばいいでです。それこそが人間らしさです。

大切なことは愚痴や弱音を中途半端に言わないです。言うときはとことん吐き出す。そうするとスッキリしてあとは前向きに進めるようになります。

このとき、しっかりあなたの愚痴や弱音を吐いて受け止めてくれる相手がいると最高です。人は認めてもらうことで元気が出る動物です。それが結果として自信につながります。「ここではどんなことを話してもいいんだ」「受け入れてくれる場所なんだ」そんな安心安全な場をつくっていきましょう。

自分の気持ちに反することをしてもどこかでほころびが出てくるのは目に見えています。あくまで「自然体」でいること。これが究極です。自分の気持ちに素直になることの方がさらに大切。自然体の自分とモチベーションを上げる自分。双方のバランスをとりながら毎日を送っていくのが一番です。

スイッチとリミットをつくる

モチベーションを長時間高く持ち続けるのは難しいことです。切り替えが要ります。スイッチとは「今からやるぞ!」というもの。スイッチを入れたら全力で動く。そのかわりスイッチを切ったら十分リラックスする。メリハリをつけます。

スイッチを入れたらとにかく着手してください。考える前に動き、動いてから考える順番です。そんな感じでちょうど良くなります。行動することで行動前にモヤモヤしていたことは一気に解消するから不思議です。

もう一つがリミットです。期限を切るという意味です。モチベーションを保つには一定の集中力が必要になります。エンドレスに気持ちを持ち続けるなんてできません。

「今月30日までにここまでいく」「今から1時間、12時までにこの作業をやり切ろう」そんなリミットを立ててみてください。後ろに第三者を伴う約束を入れておくと効果倍増です。約束を破るわけにはいきませんから。

自分の姿勢と言葉に意識を置く

毎日の自分の姿勢にも意識を置いてみてください。例えばこういう意味です。

下を向いているとだんだん背中も丸くなっていきます。それを続けると気持ちもだんだん萎えてきます。胸を張って前を見据えて頭を起こします。そしてお腹を凹まします。姿勢を良くするだけで気持ちも前向きになります。「上を向いて歩こう」です。わかりやすいけど効果てきめんです。

スマホばかりのぞき込んでいると背中が丸まってきます。たまにはスマホを横に置いて空を見上げてみてください。清々しい気持ちになれます。

自分が発する言葉にも意識してください。

「そんなの無理」「どうしたらいいか不安」「面倒くさくてやってられない」「あの人ってダメだ」「ムカつくよなあ」「だって・・・」「でも・・・」「ただ・・・」

こんな言葉ばかり使っていたら思考や行動パターンもそうなっていきます。逆に、

「できるできる」「ワクワクしてくるなあ」「こだわりたいねー」「あの人のおかげだよ」「ありがとう」「たのしいよねー」「面白そう」

毎日こんな言葉を使うようにしたら物事は好転し始めます。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから

マザーテレサの言葉です。

仲間と定期的に会うサイクルをつくる

「孤独な作業」「毎日にながされる」「相談相手がいない」

自分で新しいことを始めるときに起こる三大ハードルです。

孤独じゃなく、毎日になかされることなく、相談相手を見つけるには同じ志の仲間の存在が必須です。具体的にどんなことが起こるのでしょうか?コミュニティに参加して間もないメンバーが共有してくれたメッセージを紹介します。

2ヶ月前に初めてコミュニティに参加してから、あることのサイクルが自然にできていることに気づきました。何かの参考になればと思いシェアさせていただきます。

「名刺を初めてつくるきっかけ」「更新していくサイクル」がそれです。たとえばFさんと名刺のやり取りをした時のこと。Fさんからは前回は会社のお名刺をいただきました。先週の定例会でお会いしたところ、「やっと名刺つくったよ~つくったから配らないとね~」とうれしそうに配っていました。私自身もこの1ヶ月間は集中的に「2週間ごとに更新してまして~」と新たなバージョンをお渡ししました。なぜかうれしくてニンマリしちゃいました。

自分のシゴトをつくる、名乗る、自覚を高める。定例会をきっかけに初めてそれをつくり、その場ごとに更新していったら、少なくとも1か月ごとないしは2週間ごとにはサイクルがつくれました。特に考え込まないでも自然に習慣になり楽しめているのが気に入っています。また改良を加える時、渡した時に相手とやり取りをするのが楽しみです。

毎月仲間と会うことで一定のリズムをつくる。この毎月つまり定期的にというところがミソです。単発でやっても効果は出ません。何回も反復するから身についていくのです。こうしてできた好循環は成長を促す大切な要素になります。

目の前のことに集中する

「やった方がいいし、大事なことなんだけど手がつかない」「やらないといけないけど、目の前でやることに追われてついつい後まわしになってしまっている」

こんな思いをしたことはありませんか?「7つの習慣」の時間管理マトリクスにある第二領域「重要だけど緊急ではない案件」と呼ばれるものです。

重要だけど緊急でない案件が進まないのには理由があります。自分の将来へ向け備えとなることは、緊急でないからやらなくてもすぐに問題は起こりません。だから日々目の前のこと、緊急なことに振り回されます。

でも重要なことを進めないと根本的な事は動きません。成長もありません。新しい事も始まりません。自律していくにはこの重要だけど緊急でない案件にどう手をつけていくかが勝負になります。

創業以来ずっと月1回会ってお互いの近況を話す相手がいました。こうしろああしろとは言わない。お互い経営者。他人に指図を受けるのはきらいです。そこはわきまえています。

会話の中で「で、どうしたいの?」という質問し合います。「で、どうしたいの?」と言われたらギクッとします。「そこか・・・」と思います。

そしてとにかく「こうしたい」と答えます。不思議なものです。「こうしたい」と口に出したらそれをやらないといけなくなります。こうして行動が始まります。振り返るとこれを繰り返して前に進んできたように思います。

もし逆に誰も話す相手がいなかったらどうなるでしょうか?手帳やノートに目標らしきものを書く。最初はやろうやろうと思う。一方で毎日に追われ始める。知らず知らずのうちに思っているだけになる。気がついたら何もできていない・・・

こんな感じが関の山です。いろんなことを書いたノートだけがたまっていきます。「ほとんどできてないなあ・・・」読み返すとむなしくなります。成長のない自分がそこにいます。

自分が決めたことをやり切る。一人で踏ん張り切る。そんな意志の強い人なんて世の中にそうそういません。だから自分の事を話せる第三者をつくってください。

そして定期的に自分の立ち位置を見直してください。進んでいきたい方向を確認してください。自分のことを見られている環境づくり。そんなパートナーを見つけることが成長への後押しにつながります。

場の力を利用する

あるとき暑気払いを開催しました。最近メンバーに加わったばかりの人から、自律して動いている人まで多岐にわたるステージの人が集まりました。

「旧知のメンバーや個性ある新メンバーに会えたり面白かった」「普段会えない方と情報交換できて非常に有意義な時間を過ごすことができた」「温かい言葉をいただき元気と自信が湧いてきた」

当日参加したメンバーの感想です。「場の力」というものがあります。その場に身を置くことでエネルギーが湧き出してくる・・・そういうものを言います。

まだ自分でやると決めたわけではないですが、毎日会社の人と顔を合わせていても変化は起きないと思って始めました。毎月の定例会は自分のバロメーターになっています。「今日は忙しいし、どうしようかなあ・・・」と億劫に思うときもあります。でもとにかく行こう!と行ってみる。そうすると元気が出る。刺激がもらえる。「やっぱり、行ってよかったなあ」と思います。そしてまた1ヶ月がんばろうという気持ちになります。

1ヶ月に1回だとやる気がもたなくなるから、できたら月2回は行きたいと思っています。会社で相談できる人なんていないし、一人でやっていてもモチベーションが続きませんよね。会社とは別のところで、志を同じにした仲間がいる。こんな心強いことはありません。

ある一人のメンバーのコメントです。なかには準備活動半ばにして頓挫していった人もいます。頓挫した人に共通するのが場の力を使わなくなったことです。スタート当初は定例会に参加してきます。ところがそのうちだんだんと顔を見なくなります。

「しばらく行っていないから行きづらくなった」「自分の知っている人がいなくなった」こんな言葉を発するようになります。

自律したいという思いそのものが中途半端だったというケースもあります。それはそれで仕方のないことです。でも志を全うしたいのなら自らを奮い起こすことが必要です。

最初はどんな気持ちだったのか?目的は何だったのか?今自分はどうありたいのか?そこに立ち返ってください。

成功軌道に乗せる人は「場の力」を上手く活用しています。当初から参加できる場には徹底して参加します。一定期間集中して場を使おうとします。少し落ち着いてきたら自分のペース配分に合わせていきます。そして準備を怠ることなくやっていきます。

その後は場を検証するために活用していくようになります。人のつながりの価値がわかっているからです。

自分と同じ環境にいる人。自分よりちょっと先を行っている人。将来目標にしたい人。年齢も性別もバラバラ。歩んできた人生も全く違う。でも目指す目標は同じ。だから一本筋が通っている。こんな場が他にあるでしょうか?徹底的に利用した人が勝ち。利用しない手はありません。

人は一人では生きていけない動物。「場の力」の重要性を感じてください。

ぶっちゃけトークできる場をつくる

ぶっちゃけトークとは「こんなことまで話しちゃっていいの?」「もしかしたら家族でも言わないことかも」そんな本音の話のことを言います。

サラリーマン世界では「今日は無礼講だから言いたいことを話してほしい」みたいな場があります。図に乗って本音を話すと後で痛い目にあったり・・・そんな経験をしませんか?

愚痴というものがあります。愚痴は一見ネガティブに見えます。愚痴はできるだけ言わないでおこう・・・そんなふうに思いがちです。でも愚痴は大事です。愚痴を言いたいときは愚痴ればいいです。ためる方がよくありません。

そんなぶっちゃけトークができる相手とは誰でしょうか?同じ志の気心の知れた仲間です。人は一人で考えているとどんどん深みにはまっていくものです。いったんネガティブになるとプラスの方向には考えられなくなります。

そんなときは同じ志の仲間と定期的に会って話をしてください。自分の弱みも受け止めてくれるような仲間だとベスト。頭の中で考えていたら出口が見えないものも実際口に出してみると整理がつきます。自分の根っこの話が定期的に話せる仲間がいるほど貴重なものがありません。

ダメ出しでモチベーションは生まれない

「ダメ出しをちゃんとしないとその人のためにならないんじゃないですか?」こんな質問を受けることがあります。ダメ出しはNGです。なぜならダメ出しをされてうれしい人はいないからです。

もちろん考え方に問題があるときはフィードバックします。でもダメ出しはしません。「もっとこうした方がいい」と伝えます。ここにはこだわりがある。

コミュニティでグループワークをやるとき「Good&More」がベースになっています。「Good」は話を聴いて良いと思ったこと。「More」はもう少しこうすればさらに良くなるということという意味です。GoodとMoreの両面から相手にフィードバックをしてあげよう。大切にしている型です。

Goodは良いと思ったことを素直に口に出して伝えてあげます。日常生活でこれができないケースがあまりに多いです。特に家族や身近な存在になればなるほどそうなりがちです。

「わかっているから言わなくてもいい」「わざわざ言うのは気恥ずかしい」そんな気持ちもあるからでしょう。

でもそうではありません。相手に対する気持ちは口に出して言うことで初めて伝わります。口に出さないとわかりません。だから良いと思ったことは素直に言おうと伝えます。

相手をほめようと言っているのではありません。ほめようとしたらそこに余計な意識が入ってしまいます。無理してほめようとしても意味がありません。素直に伝えた結果がほめたことになればそれでいいという感じです。

Moreは自分事として考えて、もっとこうしてみたら良くなるのでは?と伝えます。MoreはGoodの後に伝えます。相手を認めてあげることが先に必要です。認めてあげた前提で「もっとこうしたら・・・」と言ってあげます。

人は相手に認めてもらいたい存在。認めてもらって初めて次があると思っています。だからこの順序がとても重要なのです。

さらに大事にしているのが「Bad」は言わないこと。「ダメ出し」です。ダメ出しの先にあるのは否定。否定の中から生まれてくるものはありません。

NGを出すのは簡単。そうじゃないと思うのなら、例えばこんな方法があるんじゃないかと自分なりに考えてヒントを出してあげることです。最終的に相手がその気になって動かない限り事は前に進みません。

その人の中にある良いものを徹底して引き出すこと。そしてさらに良くなるためにはどうしたらいいかを「自分事」として考えてあげること。このまま進んだらまずいというときは「言いにくいことにも一歩踏み込んで」伝えてあげること。この3つで相手と接する。

モチベーションは人の気持ちから生まれます。大切にしたい姿勢です。

たまに他人評価をもらう

知り合い二人とランチしていたときのことです。

「三宅さん、腕の筋肉がついてきてますよね?」「えっ?そう?」「こないだ見たときも締まってきているなあって感じてました」「いやあ、ありがとう!そう言われるとめちゃくちゃテンションが上がるよねー」

こんな会話をしました。正直かなりうれしかったです。そんなにストイックにやっているわけではありません。ただそれなりに続けているので少しは効果も欲しいと思っていました。そんな矢先、思わぬところで他人評価を受けることになりました。

きっかけは娘に「おじいちゃんみたいな身体だよねー」と言われたこと。かなりショックでした。何としても肉体改造するぞ!そう心に決めて筋トレをスタートしました。

実はその前からジムに月1トレーニングに通っていました。かれこれ2年くらいになるのでは?このひと言からここ2~3ヶ月は少しは真面目に取り組むようになりました。

本当は週1回ペースで自分を追い込んでやるのがベスト。でも諸事情があってなかなかそうもいきません。ジムに行かないときは自宅トレーニングをするのが課題になります。

3日1回決められたメニューがあります。時間にすると20~30分程度でできる内容です。ところがこれさえもなかなか継続できません。さぼることも多々ありました。

今回知り合いのこのひと言がかなり励みになりました。俄然やる気にスイッチが入りました。日常生活の中でも筋肉を意識するようになりました。もっとほめられる身体になりたいと思うようになりました。頭の中でプラスの循環が起こっています。

筋トレにしろダイエットにしろ継続してはじめて効果が出ます。誰もが知っていることです。継続するにはモチベーションを持ち続けないといけません。

でもただひたすら自分にきびしくといってもなかなかできることではありません。そんな時に必要なものが周囲の評価です。

ブログを書こうと思ったとします。毎日書くのに越したことはありません。理屈抜きでひたすら取り組もうとします。実際は数ヶ月書いたからといって反応が返ってくるものではありません。

そうなるとだんだんとモチベーションは下がっていきます。毎日が2日に1回になり、3日、1週間・・・間はあいていきやがて書かなくなります。そして「ブログに挫折した・・・」イヤな気持ちだけが残ります。

こんなときは知り合いに読んでもらって感想を言ってもらいます。それだけでやる気が湧いてきます。自分のブログを読んでくれている人がいることがわかるだけでモチベーションは上がっていきます。

「こないだの記事、共感しましたよ」そんなひと言をもらえたらやる気は頂点に。モチベーション継続には周囲の評価をもらうこと。意識的にやってみてはどうでしょう。

まとめ

モチベーションには内発的なものと外部周囲のエネルギーの両方が必要です。内発的とは自分の内面から湧き出してくる活力。そのためには自分の内側にあるものを把握することです。

内側ができたら次は外側。周囲の環境や場を意識的につくっていきましょう。

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